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〜 2011年度夏合宿 〜

社会交通工学科2年 0038番 小野 亮

1. 概要

 今回の合宿の目的地は山口・福岡方面となった。関東でも猛暑日が続く夏真っ盛りの暑い中、瀬戸内海に近い地域に行ったため、 とても蒸し暑かった。今回は目的地が本州と九州にまたがっていたため関門海峡越えを盛り込み、今までにない行程となった。
 合宿の日程は大体このような流れであった。
  • 8月7日(日):新山口駅集合⇒秋芳洞⇒SLやまぐち撮影⇒小倉泊
  • 8月8日(月):日田彦山線で石田駅へ、その後田川伊田駅へ。平成筑豊鉄道で直方駅へ。筑豊電鉄で黒崎駅へ。
  • 8月9日(火):門司港に行き、九州鉄道記念館へ。やまぎんレトロラインで関門海峡めかりへ。 関門トンネル人道を歩き、下関御裳川へ。路線バスで唐戸へ。フェリーで門司港へ。



2. 合宿1日目(8/7 日曜日)

 初日は新山口駅に集合し、一同、秋芳洞に向かった。当初は路線バスで移動する計画であったが、 路線バスではハプニングが起こる懸念やレンタカーの方が安いことからレンタカーで移動に変更された。 レンタカーはトヨタの10人乗り2台と日産の5人乗り1台を借りた。 迷走して秋芳洞周辺の道を一周してしまうハプニングもあったが時間通りに到着することができた。

 秋芳洞は秋吉台の地下100m、その南麓に開口する東洋屈指の鍾乳洞である。冷気漂う杉木立を過ぎると秋芳洞の入り口がある。 洞内からの水は三段の滝となり、しぶきを舞い上げながらコバルトブルーの川面に流れ落ちている(写真1)。 洞内の観光コースは約1km(総延長10km)、温度は四季を通じて17℃で一定し夏は涼しく、冬は暖かく快適に探勝できる。 一部の部員は冒険コースを探勝し、一同、不思議な自然の造形を堪能できたと思う。



写真1 秋芳洞入口



 秋芳洞を出たら、SLやまぐち号の撮影に向かった。合宿の前日、NR旅行でSLやまぐち号に乗った人もいただろう。 SLの通過時間が迫っていたため高速道路を使い、急行した。撮影地は仁保津〜上郷間の遮断機も警報機もない、第4種踏切であった。 人数が多かったためSLが止まってしまう懸念もあったが、撮影地に到着して5分後、SLは無事に通過し、 ハプニングもなく皆良い写真が撮れたことだろうと思う。

 新山口からは山陽本線に乗って下関へ向かった。下関で各自夕食を食べ、一部の部員はふぐを食べたようだった。 いよいよ下関からは今まで乗ってきたJR西日本からJR九州に変わり関門トンネルをくぐり九州に入った。 九州に入り2つ目の駅小倉で下車し、花火大会の花火を見ながらホテルへ向かった。



3. 合宿2日目(8/8 月曜日)

 2日目は筑豊地区の列車に乗った。朝、小倉駅へ向かい日田彦山線に乗り、石田駅へ向かった。 サークルの部員で駅名と同じ苗字の人がいるという理由から石田駅で途中下車することになった(写真2)。 駅周辺を散策する人もいれば、駅でのんびり過ごす人もいた。



写真2 石田駅の駅舎



 再び日田彦山線に乗り、田川伊田駅へ向かった。田川伊田駅で平成筑豊鉄道糸田線に乗り換える(写真4)。 平成筑豊鉄道は福岡県の筑豊地区でJR九州から継承した旧国鉄特定地方交通線の伊田線・糸田線・田川線の各線を営業している 第三セクターの鉄道会社である。田川伊田駅はJRの入り口は有人改札となっているが、 平成筑豊鉄道の入り口は改札もなく無人になっていたので回数券は車内で買い求めることになった。 伊田線は全線複線化されているので乗り心地も良く速い。かつて石炭の運搬が盛んだった時代の遺構であることがよくわかる。 金田駅で乗り換え直方に向かった。



写真3 平成筑豊鉄道



 直方駅を降りて、20分歩いて筑豊直方駅へ向かった。筑豊直方駅からは筑豊電鉄に乗り、黒崎駅前駅に向かった。 筑豊電鉄は直方駅から黒崎駅前駅までの16.0kmを営業している。 筑豊電鉄の車両は2両連接あるいは3両連接の吊りかけ駆動車でかつて西鉄北九州線に直通していたため車両は路面電車タイプとなっている。 車内の運賃表示器(写真5)は幕式になっていて駅を出発するごとに回転する。



写真4 筑豊電鉄2000形





写真5 幕式の運賃表示器



 黒崎駅前駅で解散し、小倉周辺を散策したり、博多などへ向かった。午後は自由行動のため省略させていただく。
 さて、夜は小倉駅に集合して駅周辺の店で飲み会を行った。



4. 合宿3日目(8/9 火曜日)

 いよいよ合宿最終日となった。3日目は門司港周辺観光と関門海峡を1往復した。 朝、小倉駅に集合し、鹿児島本線で門司港駅へ向かった。門司港駅は1891年に門司駅として開業した。 現在の駅本屋(写真6)は1914年に建てられたもので国の重要文化財に指定されている。 1964年の関門トンネルが開通するまでは九州の鉄道の玄関口であり、 対岸の下関駅との間に就航した関門連絡船との連絡中継駅として賑わった。



写真6 門司港駅の駅舎



 門司港駅からは近くにある九州鉄道記念館(写真7)に向かった。九州鉄道記念館は2003年に開館し、施設は本館、車両展示場、 ミニ鉄道公園がある。本館は1891年に建築された赤レンガ造りの初代九州鉄道本社社屋だったもので九州鉄道の客車、鉄道模型、 ヘッドマークなどの展示を行っていて、運転シミュレータや売店などもある。部員はそれぞれ展示を見たり、 運転シミュレータをしたり、ミニ鉄道公園のミニ列車を運転していた。



写真7 九州鉄道記念館の入口





写真8 九州鉄道記念館本館



 そして、九州鉄道記念館前駅から門司港レトロ観光線に乗車した。門司港レトロ観光線はやまぎんレトロラインという愛称をもち、 2009年に九州鉄道記念館前駅から関門海峡めかり駅まで2.1kmの営業運転を開始した。 鹿児島本線の貨物支線と田野浦公共臨港鉄道の廃線跡を活用して、観光客向けにトロッコ列車を運行している。 列車には「潮風号」の愛称が付けられている。運行速度は15km/h。 関門海峡めかり駅に近づくと下関が見え関門海峡のきれいな景色が広がってきた。



写真9 潮風号



 そして、関門海峡めかり駅の横にはEF30形機関車とオハフ33形客車が保存されている。 客車は休憩所として開放されていて、車内にはデザートや飲み物なども売っている。 車内から見た関門海峡の景色もとてもきれいだった。

 10分ほど歩いて関門トンネル人道入口へ向かった。トンネルで歩いて関門海峡越えをするのである。 入口を入り、エレベータで降りると人道の入口がある。全員揃って「ようい、スタート」で全員人道トンネルに足を踏み入れたが、 先頭を切って飛び出したのがO氏とTZ氏だった。O氏は途中で失速したが、 TZ氏は爆走してあっと言う間に福岡県と山口県との県境に着いてしまった。全員、県境に到着してから記念撮影をし、 山口県へ抜けた。



写真10 関門トンネル人道福岡県・山口県県境



 関門トンネルを出て、サンデン交通バスで御裳川バス停から唐戸バス停まで移動し、関門汽船が出る下関唐戸桟橋に向かった。 下関唐戸桟橋から関門汽船のフェリーに乗り門司港へ移動した。これで、関門海峡1往復が終わり、 合宿も無事に終了した。



写真11 サンデン交通バス





写真12 関門汽船フェリー





 
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